かぐや姫の物語
こんばんは。
ずっと見たかった「かぐや姫の物語」が金曜ロードショーで放映されると聞いて楽しみにしてました!
事前に知ってたことは「顎がスゴイ帝が出てくる」ってことだけだったんですけど、まさかあんな物語だなんて思いませんでした。
高畑監督、亡くなってしまったこと、本当に残念です。
今回はネタバレ感想でいきたいと思います。
冒頭。
翁の顔にね、まず泣かされそうだったんです。
柔らかい線で、昔の古い紙に描かれたような絵がなんだか胸にぐっときました。
あー優しい話なんだなって途中まで思ってたら。
ところがどっこいですよ。
なんですか、あれ。
父親の愛が毒になる感じ。
翁の愛情は本物だと思うんです。嘘はない。でも。
「しあわせ」ってなんですか。
そんな、画一化されたものですか。
誰か決めたのかしれない「しあわせ」を贈られたって、嬉しくない。
息が苦しくなる。
姫も翁が大好きなんですよ。だから苦しいんですよ。
でも、あんな、自分を人とも思わない、自分のことをただの愛でるだけの美しいものとしてしか見ない公達ばっか連れてくるなんて、頓珍漢もいいとこ。
男性陣、捨丸兄ちゃん以外みんなポンコツ。
(兄ちゃんもグレーか?)
一瞬信じたのよ⁉上川さん!!←
でも当時はそれが当たり前で。
そして怖いのは今も”それ”が残ってるってこと。
1000年も昔に、賢い姫が”かわいげなくも”出した無理難題。
私には解らなくて、たんに月に帰らなくちゃいけないからだって思ってたんです。
でも、違ったのかもしれない。
”女”の抵抗だったのかもしれない。
そう見せてくれた高畑監督って素晴らしいなって。
もし誰とも知らない作者がその意味で姫に出させた無理難題だったんだとしたら、日本の女はどんだけの長い間をやりすごしてきたのか。
そしていつまで続けるのか。
はあ、でもほんと顎帝。おぞましいわあ…
現実にもいるよなあアレ。
あんな自信過剰でないにしても、男からその対象として見られることが名誉だって思ってる男性。
女性でもいるけど、これは実害ないんだよね。
抱き疲れた時の姫の顔と反応がリアルだなって思いました。
どれだけ叫んでも聞いてくれない感じとか。
単に放っておいてほしくて、好きなように野を駆け巡りたかった気持ちとか。
どれだけ膨らせても破裂しないあの憤りとか。
辛い。
自分が気付いてなかった気持ちに気付かせてくれたようなそんな気がして、見終わったら泣いてました。
本当に、亡くなってしまったことが悔やまれます。