うたかたの誓いと春の花嫁
今日は
うたかたの誓いと春の花嫁 (ライムブックス) (2013/01/09) メアリ・バログ 商品詳細を見る |
メアリ・バログ大好きです。ほんとに。
いっつもテーマが軽くありせん。でもそれだけのものがあるのです。
私にとってはネタバレせずに感想を書くのが難しい作品だったので、
ちょっと意味不明かもしれませんが、良ければ読んでください。
このお話は、コンプレックスの塊なのに、それを自分にすら隠して前を向き続けるヒロインと、
自分がいつの間にか築いた壁にも気づかず、自分の背負った責任を果たそうとする真面目なヒーローのお話です。
この物語の最大の魅力はきっと、ヒロインのネシーのしなやかさにあるように思います。
過去を悼みながら、前を向くこと。
人を恨んだり憎んだりすることなく、慈しむこと、許すことができる人なのです。
出来すぎた人って時に嫌味になりがちですが〈単にヒネてるだけかもですが)
ネシーの場合はとても人間らしい。
シニカルなヒーローの心をゆっくりと温めていきます。
自分の中にも、温めることのできないものがあるにも関わらず。
かといってヒーローも全然悪い人じゃありません。
ただ完璧でないだけ。
でも完璧でないって悪いことじゃありませんよね。
欠けたり、補ったり、また失ったりして人は生きていくんです。
いついつまでも幸せになんてあり得ない。
それでも人生は続く。
どう乗り越えていいのかわからないことなんてしばしば。
それでも生きていく。
どうやって?
きっと希望をもって。
とても月並みですけど、希望を持てない人間にとってはとても大変なことです。
そしてとても大切なことです。
自分の中に響くものが大きすぎて、うまく言葉にできないのですけど、
私は希望を植えてもらった気がします。
それを育てるのは自分次第。
綺麗でなくてもいいから、せめてしなやかな花に育てたいと思ったのでした。