王妃マルゴ
今日はいただいた「王妃マルゴ」の感想を!
血と涙と汗、そして欲望と情欲にまみれた混沌の最中にあった中世、1572年。
フランス国王シャルル9世の妹であり、悪名高きカトリーヌ・ド・メディシスの娘マルゴと、ナヴァラ王アンリの婚礼が行われる。
多くの人々が婚礼を祝し、パリに集う。
しかし、ユグノーの中心人物、コリニー提督が狙撃されたことによりユグノーが怒りパリは紛糾。
事態はサン・バルテルミの虐殺へと発展する。
ぬるついた血のむせ返るような匂いまでもが感じられるような惨劇でした。
おそらくパリには、数日間血の匂いが蔓延していたのではないでしょうか。
死者は6千人だったとか。
タイトルは「王妃マルゴ」ですが、マルゴが主人公かと言われれば少し違うような。
時代を主人公としていたように感じられます。
もとは宗教対立がおこした悲劇ではありますが、学問としては興味があるものの、信仰心の薄い私にはそこが理解しにくい。
(不可知論者というか)
そもそも日本での宗教対立といえば仏教とキリスト教が流れ込んできたときくらいだろうし、
仏教にも宗派はあれど、欧州ほどの諍いはなかったのではないでしょうか。
(私が無知なだけかもしれませんが)
少し話が変わりますが、私がよく考えることが一つありまして。
それは、世界は一つだったんじゃないかなぁということ。
たとえば、イザナギとイザナミの話と、オルフェウスとエウリュディケの話。
こんなにも遠く離れた東洋と西洋で似た話があるのだから、宗教ももとは一つだったんじゃないかなあと思うわけです。
そう考えると、解釈が異なっているだけの宗派の違いで人を殺してしまうなんていうのはあんまりなのではないかと。
自分と違う人間は異端であると決めつけ悪とする。
それは現代日本で生きていても同じで、人は人が自由であることを認めないのではとよく思います。
同じように考え、行動することを人に望む。
自分が出来ないことを出来る人を、羨み憎む。
自分が出来ることを出来ない人を見下し誹る。
それはつまり、出来ない自分を許さない、自らの自由を許さないことから来てるんじゃないかとか。
話を広げて考え過ぎかなとも思うのですが、そんなことを考えてしまいました。
さて。
単純な感想を言えば、「マルゴ可哀想」
この一言です・・・
毒を以て人を操ろうとしたカトリーヌは、何も手中に収めることはできずに結局自分が翻弄されてしまったように思えるし、
その駒とされた息子たち、娘、そして義理の息子は何とも可哀想。
シャルル9世は精神疾患か知能が遅れていたという話も聞いたことがあるので、なおさらカトリーヌ酷いよなあ・・・
この人何が欲しかったんだろうな・・・
私にとってのこの映画の主人公はもしかしたらカトリーヌだったのかも。