ヒトラー暗殺、13分間の誤算
まるひと月以上更新していませんでした!
あっという間に日々が過ぎていくもんだからガクブル。
気付けば今年もあとひと月・・・OHMYGOD・・・
それはさておき。
久々更新第一回目は、『ヒトラー暗殺、13分間の誤算』の感想を!
舞台はナチス統治下のドイツ。
一人の青年が、ヒトラーの暗殺を企て、実行し、失敗するところから物語(というか実話なんだけど)
は始まります。
やはり戦後70周年ということで、各国が第二次世界大戦時の映画を公開していますね。
ネタバレは極力控えたいので、いつものようにわかるようなわからない感想をお届けします!←
主人公の青年、ゲオルク・エルザ―ですが、彼を演じたクリスティアン・フリーデルさん。
彼が素敵でした。
お察しの通り、ナチスなので当然拷問シーンがあり、『素敵』という軽い言葉で語れるものではないのですが、
とても魅力的でした。
エルザ―は日常がじわじわと変化していくことに違和感を抱き、暴力によってではなく、平和的に傾いていく日常を戻そうとします。
が、こわれた歯車は暴走し、手段を選んではいられないと彼もまた傾いていくのです。
歪んでいく社会、人、そしてエルザ―自身。
その様がただひたすらに静かに淡々と描かれ、だからこそ狂気をまざまざと感じたのでしょう。
静かな演技に没頭しました。
過去と現在が入り混じって物語は展開するのですが、それもまた素晴らしかったのだと思います。
見終わって感じたことは、この映画に救いはないということ。
でもそれでよかったのだと思います。
なせならこれは物語ではなく、過去であり、現在もいまだ解決が難しい問題であるからです。
ナチスが行ったことは、もちろん非道であり、決して許されることではありません。
しかし、だからといってエルザ―がとった行動は許されるべきことなのか?
また、許されざることであっても、せざるを得なかったことなのではないか?
この問答が、まだずしんと心に居座っています。
けれど、この問答が出来ることも現在の平和の恩恵であり、
私などにエルザ―のした事をとやかく言う資格がないのもまた事実です。
今、私がそのような状況に陥ったとして何ができるでしょう。
おそらくは、ただ現状を嘆き助けを求めるのが関の山です。
現在の平和の恩恵だと先に書きましたが、ベイルートやパリのテロ然り、
現在進行形で世界が危うくなりつつあるのだろうと思いつつ何もできない今の私がその証拠です。
自分の小ささ、無力さを感じた映画でした。