ぼちぼちカメ日記

ロマンス本を中心とした読書ブログです。

炎の山稜を越えて 第二巻


炎の山稜を越えてII アウトランダー18 (ヴィレッジブックス)炎の山稜を越えてII アウトランダー18 (ヴィレッジブックス)
(2010/01/20)
ダイアナ ・ガバルドン

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辛いというかなんといえばいいのか。

感想といえるのかな。ネタバレです。

レイプは嫌いです。当たり前ですが。

ドラマや小説でよく題材にされるものなので、目にするたびにうんざりするというか、胸にずっしりと居座ってしばらくほかのことが考えられなくなるのです。

ブリアナの時も辛かったけど、今回のほうが苦しい。

ジェイミーの時ともまた違った衝撃を感じました。

性を交わす、愛を交わす、慰めを見出す。

同じ行為で全くかけ離れた行為。

マイケル・サンデル教授の授業でもレイプを取り上げていました。

さまざまな考えがある中で一番興味深かったのは、

「穢された」という概念でした。

もしもこの「穢された」という考えがなかったなら、被害者の傷はマシだったのか?

それとも同じなのか。

被害者の中でも傷の深さは違う。

比べるものではないけれど、ただ心を殺すのには違いないだろうな。

男性が多分考えもしないだろう(とは言い過ぎかもですが)と思うのは、

女性は潜在的に男性に恐怖を抱いているということ。

怪我をさせられること、乱暴をされること。

普段意識しないけれど、どこかに抱いてるものなのじゃないでしょうか。

クレアはもうすでに若くないけれど、女性にとってこの問題は年齢ではなく。

80を過ぎた女性が被害に遭うこともあって。

痴漢やセクハラも減るものじゃないと軽く考える男性はきっと少なからずいると思うのですが、決して小さな問題ではないのです。

そういった被害にあった経験はありませんが、実際に被害者となった人の気持ちを考えるといたたまれない。

女として、人としての尊厳を奪われることであり、それをよく考えて欲しい。

教育の場でもきちんとそれを教えるべきだと思います。

性教育で教えることといえば生殖のことだけですが、もっと奥深く教えるべき。

女の地位が低いからなのか、男性と女性の性衝動の違いからなのかわからないけれど見過ごすことのできない問題の筈。

これはアウトランダーに向けた話ではありませんが、

レイプを題材にするのであれば、もっと深く抉る様に描写すべきです。

妙に表現を柔らかくしないでほしい。

アウトランダーは十分過酷だと思っています。)

それが与える影響をきちんと描いてほしい。

生々しく正視できないくらい酷いことだということを表現してほしい。

その覚悟がないなら、軽く扱うつもりなら取り上げないでほしい。

男性だって被害に遭うこともあって、その件もきちんと扱うべきだと思います。

男だから大したことないなんてことは絶対にないのです。

男であれ女であれ、決して被害者は悪くないということを徹底してほしい。

気分を害された方には申し訳ありませんが、言わずにいられませんでした。

頑張ってまた続き読みます。