炎の山稜を越えて 第三巻 第四巻
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まとめて感想~
炎の山稜を読んでいく間になんとなく感じていたものが最後まで読んでやっと掴めた気がします。
それが何なのかと言えば、たぶん、ようやくクレアを理解できるようになってきた気がするのです。
基本的にクレアの一人称で進むのだから、クレアの考えが一番分かるはずなのに、、
逆にジェイミーの気持ちにばかり関心が向くのは何故なのか~と思っていたのです。
それが、むしろクレアの視点だったからこそクレアをあまり理解できずにいたのだな、と。
この炎の山稜~は最初から最後まで起伏が激しくて、それこそ息つく間もなかったわけですが、
それまでの比較的穏やかな話の中で、ジェイミー、ブリアナ、ロジャーと語り手が変わっていったことでクレアの魅力がわかってきて、だからこそあの時間が必要だったのだな~なんて思いました。
お母さんとしての、女としてのクレアはやっぱり強くて、でも脆いところもあって。
その脆さを見せるのはジェイミーに対してだけ。
ずっとジェイミーの孤独にばかり目がいっていたけれど、クレアも本当に孤独だったんだな。
事件としては何を言えばいいのかわからないくらいたくさんあったわけですが、
やっぱりマルヴァの件が一番衝撃的だったかな。
クレアに対してジェイミーが逃げないでほしかった、一緒に戦ってほしかったという場面があり、
思えばジェイミーがクレアに何かを声に出して頼むことってしないなと気付いたり。
何か物を失うことってすごく怖くて、でも失うことで行動に移せることもある。
でも人を失うこと、大切な存在を失うことは、失ってからも悲しみが続くんだよな、って思ったり。
忠誠を誓った者に対しての従順さ、ひたむきさがやっぱり侍に似てるな~とも思ったり。
ブリアナが無事を願うシーンでふと気づいたことが一つ。
亡くなった存在に対して、「天国で元気にしてるかな」ってよく思うのですが、これが、心の中で生き続けるということなのかなということ。
死んでるのだから元気もへったくれもないのだけど、誰かがそう祈り、願う限り、どこかで生きていて、永遠に死なないのかもしれない。
それにしてもマータフ・・・やっぱりマータフ大好きです。
息子だったんだよね。なんかもう言い表せない。
切ないし苦しいし辛いけど、本当に愛おしい。
泣きたい。
次巻からまた舞台が変わるのでしょうか。
すこし一息入れて、また続き読みましょう。
支離滅裂な文章なのに、読んでくださりありがとうございます。